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絶対音感と脳

 ウチの娘はピアノを幼稚園の年少の頃から習っています。ですからこの「絶対音感」に対しては敏感に注目してきました。

 楽器を演奏するに当たっては「絶対音感」は最高の武器としてプレイヤーの味方になってくれますが、気になる勉強などに関してはどう影響してくるのでしょうか?

 今回はこの「絶対音感」と人間の「脳」との関係を中心に考えてみたいと思います。

絶対音感と相対音感

 まず「絶対音感」とはどういう音感なのでしょう。

 その前に「絶対音感」とよく似た言葉で「相対音感」という言葉を耳にした事がある人もいるかと思います。

 この「相対音感」というのは、ある基準となる音との相対的な音程により音の高さを識別する能力です。

 平たく言えば、それぞれの音の音程の違いを感じる感覚で、ほとんどの人が持っている能力と言えます。カラオケなどでイントロの音を聴けば、その音に合わせて続きが歌えるといった事ですね。

 それに対して「絶対音感」とは、ある音を単独で聞いた時にその音の高さを記憶に基づいて認識する能力です。「相対音感」の様に基準となる音が無くても、その音が何の音(ドとかレ)なのか音程を認識できる能力です。

 そしてこの「絶対音感」を持っている人の割合は一般的に3%と言われています。

 こう見るとかなり希少な能力と言えますね。

絶対音感があるとこうなる ー音楽編ー

 ウチの娘に絶対音感がある事に気づいたのは2歳の頃です。ピアノを習っているので客観的に見てもその効果が分かりやすく表れていました。そして年齢が上がるごとに絶対音感のレベルも上がっていった様に思われます。

 時系列順にその効果を書き表すと、

  • 単音(1つの音)でその音の音名が判る。
  • 2和音、3和音で1つ1つ何の音が重なっているのか判る。
  • 幼稚園の年中の頃、先生のピアノの伴奏を聴いて覚えて帰り、家に帰り練習なしで、いきなり同じ様にピアノを弾く事が出来る。
  • 難しいジャズの和音やランダムに押さえた4和音でも1つ1つの音が何の音なのか判る。
  • CDなどの楽曲の中の和音も一瞬聴いただけでコードネーム(和音の名前)が判る。
  • 頭の中にある、ある程度簡単な演奏なら、楽譜なし練習なしでいきなり演奏できる。

 など、あくまでウチの娘の場合で、一口で「絶対音感」と言っても人それぞれ程度も違うと思いますが、一般的にもこの様な効果があると言われています。

 しかし、一方で絶対音感があるが為のデメリットもある様です。

 絶対音感の持ち主に多く聞く事ですが、日常生活で耳に入る音、雑音まで音階として認識してしまう人もいたり、ウチの娘もそうですが音が聞こえすぎ、脳が刺激を受けすぎ頭痛がする、また人間が歌う音のほんの少しの音程のズレでも気になってしょうがない、などといった障害も人によっては起きてしまう事もある様です。
 音楽家の坂本龍一さんい至ってはそのような症状があまりにもひどく入院するまでになってしまったそうです。

絶対音感があるとこうなる ー脳科学編ー

 絶対音感と音楽との関係が密接な関係にある事はイメージし易いものですが、脳への影響はどのようなものがあるのでしょうか。

絶対音感と右脳・左脳の関係

 まず人間の脳の仕組みについて見てみます。右脳と左脳では役割分担が違います。

右脳〜直感的思考

  • 芸術、創造性
  • イメージ、ひらめき
  • 空間認識

左脳〜論理的思考

  • 数学、計算
  • 言語
  • 記憶
  • 分析

 これを見て分かるように音楽は右脳を使い聴いています。

 しかし、ドイツのハインリッヒ・ハイネ大学デュッセルドルフ校神経学科のゴットフリート・シュラウク博士らの研究グループがアメリカの科学誌「サイエンス」に1995年発表した研究結果では、音楽家を職業にしている人と、音楽を学んだ事のない素人の人30人ずつにMRIで左右の脳の状態を比較してみました。
 すると音楽家の中でも絶対音感を持たない19人の脳は、素人の人の脳とほとんど変わらなかったのに対して、絶対音感を持つ11名の脳は左脳の側頭平面という言語の理解や数学的能力に深く関係していとる考えられている場所が、右脳の側頭平面より2倍近く大きく発達している事が判明しました。

 更に最近でも、新潟大学の研究グループの研究結果によると絶対音感のある人は音を聞くとき脳の活動が言語処理に近く、右脳より左脳の方が反応が大きな事が分かりました。

絶対音感とIQの関係

 絶対音感を持つ子供のIQ(知能指数)はそうでない子よりも10ポイント以上も高いという研究データがあります。

 「ミュージックステップ」なる絶対音感教育で有名な東京のいずみ幼稚園では、一般的に100と言われているIQの平均値も120以上と非常に高くなっている様です。
 五感の中でも幼少期から優れている聴覚に目を付け「感じる」体験をうまく利用しながら子供の能力を引き出しています。

 一時、「モーツアルト効果」というクラシック音楽のモーツアルトの様にの3000Hz以上の高い周波数の音の多い音楽を聴くと脳が活性化されIQが上がると言われてきました。
 妊娠中の胎教にもいいとモーツアルトの音楽が言われてきましたが、これは一時的にIQが上がるだけのもので、しばらくするとまた元に戻ると言われています。

 それに比べ、絶対音感によるIQの上昇は永続的に身に付けられます。

ピアノとHQの関係

 IQはみなさんご存知のかと思われますが、HQと言われるものもあります。

 IQとは知能指数の事ですがHQとは人間性知能の事です。

 このHQに関して数年前にテレビでおなじみ脳科学者の澤口俊之先生が『習い事はピアノだけでいい』と提唱したことで話題になりました。

 HQ(人間性知能)とは、人間らしく生きる脳力の事で、

  • 夢や目的に向かって適切に行動する能力・・・未来志向的行動力
  • 理性、思いやり、協調性をつける能力・・・・社会関係力

があるそうで、夢の実現や社会的成功、良好な恋愛、結婚生活、さらに運動能力、器用さ、言語能力、記憶力の向上、IQの向上にまで関係があるそうです。

なぜピアノがHQにいいのか

 では、なぜピアノという楽器を習うことがHQの向上にいいのでしょうか。

 澤口先生によると、

「ピアノというのは、両手を並列かつ複雑に使い、楽譜を一時的にも記憶しながら演奏し、さらに次に弾く楽譜を先読みします。そして特に重要なのが両手を同じように使いますが、その使い方が全く異なるという点です。これは他のものにはない非常に高度な行為なんですね。つまりピアノをやっていると、自然に全ての脳機能を高めてしまうというわけです。」

「ピアノのレッスンを続ける事によって、脳の監督役でもある前頭前野が構造的に発達し、HQの長期的な発達につながります。また脳梁(のうりょう)と呼ばれる部分が太くなり、左右の脳のバランスがよくなるんです。まだまだあります。
 小脳も大きくなり、運動機能や知能機能、感情的機能までもアップします。さらに、海馬と呼ばれる部分が発達し、記憶力がアップするので、学力向上につながります。つまり、ピアノを習うことによって、脳機能をまんべんなく育て”地頭”をよくすることができ、スポーツや学力まで効果を及ぼすんです。」

「ママテナ」澤口先生インタビューより

 これを裏付けるようなデータも色々とあります。

 小学生低学年の習い事のデータによると、学習塾、英会話、習字、スポーツ系などの習い事に比べ、明らかにピアノを習っている子供のHQが高いというデータがあるのです。

 なぜピアノの習い事だけHQが高くなっているのか。

 これは、「子供が日常的に、暇なときに何をしているのか」というデータで分かることがあります。

 これによると自由時間や休日にピアノを弾いている子供はHQが高いというデータがあります。

 ピアノを習っていると基本的に毎日の練習が大切になります。ウチの娘もそうですが、もう10年以上毎日のピアノの自宅練習は欠かせません。
 毎日、定期的に複雑な指の動きの練習を行なっている。そいいった自主練習もHQに影響しているのでしょう。

 またピアノは夢を持つことや問題解決能力、一般知能gF(個別的なIQ・・・言語性IQ、空間性IQ、行為性IQなどの上位にたつIQ)の向上にも役立っています。

 ピアノという楽器の様に、両手で微妙に違う指の動きをする事が大切で、片手で弾くピアニカや両手の動きが違うヴァイオリンなどはにはまだ確証がありません。 

絶対音感は先天性なのか、後で身に付けられるものなのか

cheetahさんによる写真ACからの写真 

 それでは、絶対音感は生まれ持った先天性の能力で後で身に付けることは出来ないのでしょうか?

 実は7歳くらいまでなら訓練すれば身につくと言われています。

 人間は生まれてきた時から絶対音感の元となる物を持っていて、それが生まれてからの音楽教育などで発達するものだそうです。

 妊娠8ヶ月くらいからお腹の中の赤ちゃんは音を聞き分けられているそうで、生まれてからも視界がはっきりしなくて目からの情報に頼らない1歳くらいまではよく耳は発達するそうです。

 うちの娘も先天性で何もしないで絶対音感を持っていたのかと思っていたのですが、知らず知らずのうちに音楽好きの私が娘に音楽教育をしていたのかも知れません。

  しかし大人になるにつれ習得が難しくなってきますので、やはり幼児期からの訓練が大切になってきます。

絶対音感が身に付けられるのが7歳位までの理由

 その理由は、人間の耳の発達に関係しています。

 人間の耳の発達は7歳くらいまでは急速に発達し、それ以降は横這い状態です。

 そのため、幼少期の時期に絶対音感教育を施すことが大切となっているのです。

 また人間の脳は3歳までに80%、6歳までに90%が完成すると言われています。

 この脳が発達する時期に絶対音感教育をする事で脳は更に発達します。

 耳、脳、どちらの観点においても、この絶対音感を7歳位まで身に付ける事が大切なのが判ります。

 地頭の良さを創り上げるピアノ、絶対音感教育。本格的な勉強が始まる小学生位までにこの絶対音感を身に付ける事で、その先の学業にも有利に働くかも知れません。

日本は絶対音感教育が盛ん

 あるデータによると音楽学校に通う学生では日本人が30%、外国人は11%絶対音感を持っていると言われています。

 日本はピアノ教育も盛んですので、それに伴いこの絶対音感も身に付く子供も多いのかも知れません。

 なんと古くは戦時中にも、敵の飛行機や潜水艦のエンジン音を聞き分けられる様に絶対音感教育にも似た訓練が行われたいたそうです。

 現在では東京のいずみ幼稚園の様に幼児教育の一環として絶対音感教育を取り入れたり、音楽教室などでも絶対音感教育に力を入れている教室もいくつもある様です。

 また、一般に販売されている書籍などからも絶対音感の知識、トレーニング法を学ぶ事が出来ます。親子で家庭の中での絶対音感教育も可能です。

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これからお子様に絶対音感教育をと考えている方にオススメ。家庭でも出来るレッスン方法も書かれてありますのでご参考に。

まとめ

 音楽、勉強、人間形成、様々な観点から見てもこの「絶対音感」は大切な能力の1つです。

 ウチの娘も、この絶対音感を武器に、ピアノ、勉強、学校行事、様々な方面で頑張っております。

 そして、絶対音感は幼少期のトレーニングにより個人差はあれど誰でも身に付ける可能性があると言う事です。

 ウチも、私の音楽好きが役に立ったのか、娘が生まれた時から自然と家の中で音楽、絶対音感教育が出来ていたのかも知れないと思い返しております。

 

コメント

  1. […] こういった事からピアノ演奏は記憶力を鍛える事が出来ると言われているんだ。娘の記憶力も確実にこの事が関係していると私は思っている。その他のピアノと脳の関係についてはこちらもどうぞ。 […]